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2010年8月10日 (火)

相手が「何を伝えたいか」を把握することで、適切な対応ができる。

特に引っ込み思案でもなく、無口でもないのに、人との会話がうまくいかない、誤解されてしまって伝わらないなどの問題は、そのほとんどが「相手のニーズを把握することができていない」ために、すれ違いが起こっています。

「相手が、何を言いたいか(何を自分に聞きたいか)を、把握する」というのは、出来る人にとっては当たり前すぎることであっても、この点が苦手な人にとっては、それがどういうことなのか、自分ができていないかどうかもよくわからないものです。

これは、理屈よりも、実際に「体感」していただく方が早いので、私は、この手の悩みを抱えている方には、「実践」して、納得していただくことにしています。

具体的には、ご自分が苦手としている状況を想定して、会話の練習をします。たとえば、上司との関係がうまくいかないケースでは、「上司から部下へ、仕事の指示をする」という簡単な状況設定をして、3分間会話を続けます。求職中の方には、採用試験の面接の場面にすることもあります。

この際、ご相談者さまには、「相手の役」をやっていただきます。つまり、「上司の役」だったり「面接官の役」だったり。

その理由は、「相手が、何のためにその発言をするのか」を、自分が同じ立場になって発言することで、理解できるようになるからです。

自分が指示される役を練習しても、(上手な受け答ができるようにはなるかもしれませんが)、相手のニーズを知るという目的は果たせません。相手側の役をやってみることで、相手の発言の真意はどこにあるのか、つまり、過去の自分は、どの部分を満たしていない対応をしていたのか、という点を、自分で認識していただくためです。

そうすると、ほとんどの方が、自分の会話の癖、習慣に気づきます。その7割以上が、同じ理由に行き当たります。それは、「相手が聞いている質問に答えているつもりでも、実は、「自分が言いたいこと」を、話している(ので、相手からすれば、若干、回答のポイントがずれている)」という点です。

この点に気づくと、自分の対応の仕方が代わるので、相手との関係も変わってきます。思い込みは自分を苦しめ、気づきは自分を助けるとわかります。

相手のニーズを知るというのは、相手の言うことをすべて受け入れることとは違います。相手の主張が間違っていて、自分の意見が正しい場合もありますよね。そういう場合は、ノーを伝えなければならないこともあるでしょう。けれど、その場合でも、「相手が、何の目的でそうしたいのか」を、多少なりとも理解しなければ、「適切なノーの伝え方」ができず、いらぬトラブルになる場合もあります。

正しい主張をしているのに、怒られてしまう場合なども、(相手の意図がつかめていないために)聞かれていることと、答えが一致していないため、という可能性もあります。相手が「リンゴはいくつある?」と聞いているのに、「青いリンゴも、いくつかありました」と答えても、事実としては間違っていなくても、相手が知りたいことの答えにならない場合もありますよね。

このあたりも、本当に微妙なズレを修正していくことで、対話がスムーズになっていきます。何をどう改善すればいいのかが分かれば、そのための対応策もとりやすいものです。

実際に練習ができればいいのですが、それが難しい環境の場合は、「他人同士の会話」を横で聞いていて、「もしも、自分だったら」と、置き換えていくのもいいと思います。

「相手のニーズを知るには、相手の立場を演じてみる」こと、これは、とても有効な方法の一つだと感じます。

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