« 適齢期。 | トップページ | 知識を活かすための、「応用力」が大切。 »

2009年11月 5日 (木)

過去の感情が癒されるための、プロセス。

感情というのは、目には見えないけれども、エネルギーとしての実体を持ちます(存在します)。

過去に作られた感情も、自分が手放さずに抱えこんでいれば、それは、いつまでも作用し続けることになります。記憶の底に封印しても・・・、また、形を変えた似たような状況に直面すれば、過去の(感情という)エネルギーが刺激され、落ち込んだり不快になったりします。

例えば、子供のころに、姉と弟がいて、両親は、弟が生まれてから、あまり姉を構わなくなったとします。姉は、心に傷を抱えて幼少期を過ごしたとします。子供の世界というのは、親がすべてなところがあります。しかし、成長するにつれ、学校が加わり友達が加わり・・・、親に占める割合は下がっていきます。幼少期の感情などは、心の奥深いにしまいこまれ、自分でも意識することがなくなっていきます。

そして、働き始めて、自分をとてもかわいがっていた上司が、新入社員に目をかけるようになると、昔の感情に火がつくのですね。自分がないがしろにされた気持ちになります。上司は、部下を指導することが仕事なのであり、新入社員に労力を傾けても、別におかしくはありませんし、当然のことです。

ところが、上記の例のように、両親が弟ばかりをかわいがった、という感情に苦しんだ過去があると、その傷が再び反応しだすのです。なぜなら、「自分よりも権力のある目上の人が、自分を差し置き、新入りに目をかけている」という点が同じだからです。

多分、その上司が、自分との約束よりも得意先との打合わせを優先させても、あまり気分を害したりしないのかもしれません。人は、自分がもともと持っている(感情的)傷にさわらないことには、(それがどんなに理不尽でも)あまり反応しないものだったりします。

このように、過去の感情が持ち上がってきて苦しくなるのは、誰にでもあることです。その繰り返しを、私たちは日々行っているとも言えます。なので、このような状態になることが悪いのではなく、むしろ当然である、ということをまずは認識してください。

そして、その上で、では、どうやって対処していったらよいのかを、現実的に考えて、必要があれば取り組んでいくことです。この前提がないと、自分がいやになる自己否定か、相手が悪い(この場合だと、自分を認めない上司を恨む、など)という責任転嫁になって、より感情が色濃く上塗りされてしまうので注意が必要です。

過去の感情が刺激されて苦しくなる機会を、「過去の感情を乗り越え、今ここで手放すためのチャンス」だと考え、ご自分の癒しに取り組んでみてください。

感情が癒される過程というのは、心の底にある、一度はふたをした感情が、後に起こったある出来事により刺激され、再び表面に浮上し・・・、そして自分が再び(自分の作り出した感情に)反応し・・・、その過程から気付きを得て納得することで、癒されていく(解放されていく)、という仕組みになっています。

ですから、表面に浮上した時点で、再びのみこまれてしまっては、また同じになります。そこで頑張って冷静に分析し、自分が何に対して怒っているのか、その怒りは正当なものなのか(っていうか、正当な怒りなんてありませんが;便宜上、そう考えてください)過去にも同様のパターンがなかったかと考えてみるのです。

そして、今感じている怒りや不愉快さは、過去の感情の「再現」だと気付くことができれば、ずっと持ち続けてきた感情(というエネルギー)は、薄らいでいきます。しかし、その時点できれいさっぱり消化されることは、まずありえません。そんなに簡単に、人間というのは変われるものではありません。多分またその後も、似たような状況がやってきたら、同様に不快な気分にはなると思います。

けれど、その反応は、以前のように大きなものではなくなります。その繰り返しで・・・、だんだんと、平気になっていき、その状態を「乗り越えた」と呼ぶのでしょう。

ここでいう「乗り越える」とは、我慢して耐えるという意味ではなくて、抱え込んでいた不要なエネルギーに、さようならができる、という意味です。

感情が揺れるのは、その時だけを抜き出して考えれば、辛いことではありますが、過去を乗り越えて成長するためのプロセスだと考えて、立ち向かっていきましょう。

また、感情というのは、どんな場合でも「自分のフィルター」を通して事実を認識したことから生まれる、とても個人的なものですから、客観的な事実は違っている可能性があります。

上記の例でいうと、本人(姉)が、「そう思い込んでいる」だけという可能性もあるのです。両親は、どちらにも同じように愛情を注いだかもしれません。あるいは、むしろ姉のほうをかわいがったかもしれません。

なのに、本人は、一人っ子だったころと比較すれば、両親が割いてくれる労力が減りますから、「構われなくなった」と、思い込んだ可能性もありえます。その点も、考慮するとなお良し、です。

|

« 適齢期。 | トップページ | 知識を活かすための、「応用力」が大切。 »

10.考え方、感情」カテゴリの記事